最終更新: 2024/03/27

学習者特性とコンピュータテストの関係の数量化分析に基づくテスト実施方法の検討

赤倉貴子, 永岡慶三


Journal

日本教育工学会論文誌
1993-03

Abstract

本論文では,学習者特性とコンピュータテストの得点の関係を分析し,その結果をコンピュータテストの実施に活かす方法について考察した.まずコンピュータテストの得点を目的変数,学習者特性を説明変数として数量化I類による分析を行った.その結果,「テスト実施メディアとして,ペーパーよりコンピュータを好む」「キーボード入力速度が速い」「LOCが外的」「向性が中間的」な学習者は,コンピュータテストで実力を発揮できることがわかり,とくに「テスト実施メディアの好み」は他の要因よりテスト得点に関係が深いことがわかった.次に数量化I類による線形モデルを,学習者がコンピュータを使用したテストで実力を発揮しきれるかどうかを予測するために利用した.そして,得点の実測値が予測値より悪くなる学習者の特性の分析の結果,これらの学習者は他の学習者よりコンピュータの操作,とくに文字入力に苦手意識を抱き,テスト自体に不安感をもち,神経症傾向が強めであることがわかった.これらより,コンピュータテストを普及させるためには,学習者がコンピュータに違和感を抱かないように文字入力の方法を指導することがよいことなどを主張した.

DOI

https://doi.org/10.15077/jmet.16.4_223

Citation

赤倉貴子, 永岡慶三, “学習者特性とコンピュータテストの関係の数量化分析に基づくテスト実施方法の検討”, Vol.16, No.4, pp.223-231, 1993

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